誰が何を取得するかは最終段階で決める。 

普通、遺産分割というと、まず誰が何を貰うかを決めます。当事者間で争いがないときは、これでもよいのですが、争いがあるときは分割協議をします。

( 前ページの遺産分割手続きの進め方を参照 )

 


遺産分割にあたっての注意点

注意点 

誰が何を取得するかは最終段階で決める。 

普通、遺産分割というと、まず誰が何を貰うかを決めます。当事者間で争いがないときは、これでもよいのですが、争いがあるときは、前ページの「遺産分割手続きの進め方」の方式で分割協議をします。

注意点2 

節税に極端に傾いた遺産分割はしない。

節税だけを意識した遺産分割は、必ず紛争の原因になります。

まず当事者間で節税を意識せず分割協議をし、協議ができた段階で節税を心がけましょう。

注意点3 

法的手続きを躊躇しない。

かつて、遺産分割調停は異様なほど長期化し、また、弁護士も有利に解決しようと、遺産性を争ったり、評価を争ったりして、意図的に引き延ばす方もおられました。

しかし今、家裁はそのような駆け引きを一切許さず、システム的に進め、非常にスピーディに解決します。


遺産分割 Q&A

当事者の中に非嫡出子がいる場合、どうなりますか?
最高裁の判例(H25・9・4)は以下の通りで、これにしたがって処理をします。
1,非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の半分とする規定(民900Ⅳ但書前段)は
   遅くとも平成13年7月当時において憲法14条に違反していた。
2,この決定は、平成13年7月から平成25年9月4日までの間に開始された相続に
  ついては、遺産分割の審判その他の裁判及び遺産分割の協議その他の合意等
  により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼさない。
3,この決定は、平成7年大法廷判決並びにその後の小法廷判決及び決定を変更
  するものではない。

平成13年7月以前は、非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の半分とし、それ以降は、平等に扱います。
ただし、実務では、全員の合意で、平成13年7月以前の相続事件でも、非嫡出子の相続分を平等にすることが多いです。
公正証書遺言以外の遺言を家裁に提出するとき検認は必要ですか?
必要です。法律的な要求ではありませんが、検認済みの遺言書を提出させるようにしています。
相続人の一人が高齢で意思能力に問題がある場合、特別代理人(家法19)を選任して申立をすべきでしょうか?
選任せず、そのまま申立てます。
調停委員会で他の相続人に事情を確認し、必要に応じて調査官が調査することがありますが、そのために手続きを中断することはしません。状況に 応じて当事者から後見や保佐の申立をしてもらうことになります。
なお、遺産分割調停成立前には、後見人は、必ず中間調書等で遺産分割条項案を作成してもらい、これを後見センター(東京家裁家事1部)に提出して承認をもらう必要があります。
「代わる審判」をだすことはありません。
このため、期日が1期日空転することになりますが、やむを得ません。
後見人と被後見人、親権者と未成年者がいずれも相続人である場合、遺産分割調停を行うことに問題はないのですか?
利益相反になるので特別代理人を選任します(民826,860)。ただし、後見監督人が選任されている場合は、後見監督人が被後見人を代表するので、特別代理人の選任は不要です。
なお、家裁に特別代理人選任の申立てをする場合、東京家裁の場合は、中間調書等による調停条項案の提出を求めています。
後見監督人が選任されている場合、後見人の判断だけで遺産分割調停を成立させてよいでしょうか?
後見監督人の同意が必要になります。
当事者の一人に任意後見人が選任されている場合は、どうなりますか?
以下の事項を確認することになります。
1,任意後見監督人が選任されているか(任意後見契約は任意後見監督人が選任
  されたときに効力を生します)
2,登記事項証明書の任意後見契約の中に遺産分割が含まれているか
共同相続人の中に所在不明の者がいる場合はどうなりますか?
不在者財産管理人を選任します。当事者の一人が家裁に申立てをしなければなりません。
なお、失踪宣告の要件を満たす場合でも、不在者財産管理人を選任してもらうことがあります。
失踪宣告には、かなりの時間がかかり、調停・審判が空転するからです。どうしても、失踪宣告を選択したいときは、いったん取下げて、失踪宣告後に再度申立てをしてもらうこともあります。