相続分の指定が一部の相続人にのみなされている場合

遺言書と祈る手
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遺言が分割の指定ではなく、相続分の指定の場合で、しかも、その指定が相続人の一部にしかされていない場合、ほかの相続人の相続分はどうなるんだという問題があります。

遺産は一億円。相続人は、妻A、長男B、次男C、三男D。被相続人は、長男の相続分を1/4と指定した。他の相続人の相続分はいくらか。

実は、これは未解決の問題です。

子ども達の相続分は、本来なら、1/6。長男だけ1/4にしたけど、妻の相続分は、法定相続分のままという遺言者の意思なら、妻1/2、次男と三男は、各1/8ということになります。

遺言者の意思が、次男に指定した1/4以外の残り3/4は、法定相続分で分けてほしいというなら、どうでしょう?

この場合、妻と子供二人の法定相続分で計算するなら、妻は3/8、CとDは3/16になります。

妻と子供3人の法定相続分を前提として妻の法定相続分を確保したいと解するなら、妻3、子供各1になります。

いずれも、充分、あり得る話です。

上記設例で、Aは2/4、B・Cは各1/4という指定があった場合は、Dの相続分はどうなるでしょう。この場合、遺言には明記されていないものの、遺言者は、Dの相続分をゼロと指定したと考えます。

家族問題は、森法律事務所にご相談ください。(TEL:03-3553-5916)
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この記事を書いた人

1951年新潟県出身。中央大学法学部卒業。東京弁護士会所属。1981年弁護士登録。1983年森法律事務所設立。家事事件・不動産事件等が中心業務。主な著作に『法律家のための相続判例のポイント』・『法律家のための遺言・遺留分実務のポイント』・『弁護士のための遺産相続実務のポイント』(いずれも日本加除出版)などがある。趣味はカメラを片手に旅すること。森法律事務所:東京都中央区新川2-15-3 森第2ビル TEL:03-3553-5916