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森法律事務所から一言

遺言無効訴訟は、大きく分けて、方式不備を理由とする遺言無効訴訟と遺言能力等の欠如から遺言を無効とする遺言無効訴訟の二つがあります。

<方式違反による遺言無効>

以下の一覧表を参考にしてください。

遺言の方式 必要要件
自筆証書遺言
(968条~)

□全文の自書(例外 別添遺産目録)
□日付の記載
□氏名の自書
□押印(認印・指印でも可)
□加除訂正の方式順守
(①場所の指示と②変更した旨の付記③その個所に署名押印)(反しても加除訂正が無効になるだけで遺言そのものが無効になるわけではない)

不要要件①立会人②確認審判③契印・割印
検認 遺言書保管制度利用の場合以外検認は必要
公正証書遺言
(969条~)

□証人二人以上の立会
□口授(遺言者→公証人)
□口述の筆記と読み聞かせ・閲覧(公証人→遺言者・証人)
□遺言者・証人による承認・署名押印
□公証人による付記・署名押印

不要要件 全文自筆 確認審判
検認 不要

自筆証書遺言でも、遺言書保管制度を利用する時は、遺言書保管官が本人であること、方式不備がないことを確認します。

夫婦共同遺言は、実務では、しばしば遭遇しますが、無効です。ただ、「共同」でも、物理的に一つにすぎず、相互に関連しあっていない遺言は共同遺言に該当しません。

<遺言能力欠如による遺言無効>

1.意思能力だが、通常の意思能力とは判断の観点が異なる。

遺言能力は、15歳以上の能力は必要なく、6、7歳程度の意思能力で足ります。しかし、同時に、「遺言内容及びそれが周囲に与える影響を理解する能力」が必用と言われています。

2.医療記録だけでは判断できない。

周囲に与える影響を理解していたかが重視されることから、遺言者の生前の言動を照らし合わせて遺言能力の判断をします。遺言者の生前の言動からは理解できない遺言内容の場合、遺言能力は高いハードルが設けられ、遺言者の生前の言動と矛盾しない遺言内容の場合、ハードルは低くなります。

医療記録は重視されますが、それだけではありません。

認知症の方が遺言書を作成する場合も、裁判所の認知症に対する考え方を十分理解して対応する必要があります。意思に「遺言能力あり」と診断書を書いてもらっておけばOKというわけではありません。