相続税のスキームを使った高級マンション購入に注意

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相続税を節約するスキームを提案する人たちが跋扈している。常識的な提案ならいいが、不動産の時価評価と相続税評価の価格差を利用した節税だと、すぐには飛びつかない方がいい。こういう事例では、その節税提案事業主が、裏で不動産販売業者と提携していることがあるからである。

だいたい、こういう提案は、「相続税節税コンサルタント」が、対象者が相当高齢になり体も弱っているときに、その周囲にいる家族に「相続税がぐんとお安くなります」と提案を持ち掛け、超高額の高級マンションを全額ローンを組んで対象者名義で購入させるスキームである。常識的に考えて、対象者の年齢や健康状態を考えると、ローンを支払いきれるはずがない状態で、対象者が進んでローンを組んで高額マンションを自発的に購入するなどありえず、ほとんどが、手取りを増やしたい推定相続人や節税家の提案に、仕方なく従うというケースが多いと思われる。この方式使うと相続税評価額と実勢価格との乖離が大きくなり、購入価額に対して相続税評価額が20%程度になることも珍しくなかった。

問題は、このとき、購入する高級マンションが価格が適正なのかどうかである。10億円で買って10億円で売れれば問題ない。しかし、その購入価格で売れるとは限らない。そして、極めて例外的な現象だが、一部で「節税コンサルタント」が不動産販売業者と提携し、かなり割高で販売しているという話を聞いたことがある。購入者自身が節税を意識せず長期投資用として購入したなら価格をシビアにチェックするだろうが、相続税節税対策だと、価格よりも、節税額に注意が行ってしまう。多少割高でも購入してしまうのだ。

ちなみに、タワマンや貸家不動産を利用した節税策には、最高裁令和4年4月19日第三小法廷判決が①相続税の軽減を主な目的として行ったものでり②その行為に伴う税負担の軽減が公平性の観点から見過ごすことができないレベルである場合は、時価相当額で課税するという判断をしている。以来、税制により締め付けが厳しくなっており、令和5年9月に「居住用の区分所有財産の評価について」という法令解釈通達(マンション通達)がだされている。

注意点はのためなら

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この記事を書いた人

1951年新潟県出身。中央大学法学部卒業。東京弁護士会所属。1981年弁護士登録。1983年森法律事務所設立。家事事件・不動産事件等が中心業務。主な著作に『法律家のための相続判例のポイント』・『法律家のための遺言・遺留分実務のポイント』・『弁護士のための遺産相続実務のポイント』(いずれも日本加除出版)などがある。趣味はカメラを片手に旅すること。森法律事務所:東京都中央区新川2-15-3 森第2ビル TEL:03-3553-5916